土と砂利、雑草だらけだった自宅敷地の通路を型枠を使ってコンクリートを敷き詰めました。
約15m×2mの広さです。
コンクリート型枠の厚さは4㎝です。
型枠を使った理由は、広い範囲を薄く敷けるためです。
コンクリート・砂利・砂代を安く抑えられます。
厚さ10㎝の土間コンクリートと比べ、半分以下の材料費で済みます。
コンクリート型枠で一帯を敷き詰めた後、周囲の部分をコンクリートで囲むことにしました。
次の写真がコンクリートを敷いた後の様子です。
ここに使ったのがTSファイバープラスタです。
厚さ4cmで大丈夫?どうする?
コンクリート型枠で敷き詰めた後、周囲のコンクリートをどのように敷くか?
土間コンの場合、厚さ10㎝程度にして鉄筋を入れるという情報がありましたが、厚さ分の土を掘るのも、掘った土を処分するのも大変ですので「コンクリート型枠」と同じ厚さで敷くことにしました。
コンクリート型枠で作ったブロックのサイズであれば、4cmの厚さでも強度的に問題ない感じですが、長い距離を隙間なしで敷いたら、どこかで割れるだろうと感じました。
厚さ10cm以下のコンクリートにワイヤーメッシュを入れると外の湿気がワイヤーまで届き、ワイヤーが錆びて膨張し、結果コンクリートが割れるので良くないそうです。
・砂利を多めに入れれば薄くても割れないのか?
・短い間隔で隙間を入れようか?
・やっぱり厚さを10㎝程度にしワイヤーを入れたほうが良いのか?
と悩みながら、良い方法がないかとインターネットで色々と調べていたところ、セメントに繊維を混ぜる方法があるということを知りました。
DIYコンクリートで使えそうな繊維
セメントに混ぜる繊維については、いくつかあるようですが、あくまでも裏口用通路のDIYということから、「安い、手軽、簡単入手」の製品を探してみました。
【TSファイバープラスタ】
という左官材料のひび割れ抑制繊維を見つけました。
【株式会社テザック】が売り出しているものです。
モルタルを作るときにセメント1袋(25㎏)分に対しTSファイバープラスタ1袋を混ぜるようです。
アマゾン、楽天、ヨドバシカメラ、モノタロウ、ビッグカメラなどでインターネット販売されています。
有名なネットショップで販売されているので怪しい製品ではなさそうです。
値段は1袋300~400円です。+別途送料がかかります。
ネットの評判は?
TSファイバープラスタに関しては、インターネット上の情報がとても少ないのです。
掲載されているのは製品袋の表が写った画像と販売価格ばかりです。
モルタルに混ぜることはわかるのですが、どのように混ぜるのかがわかりませんでした。
コンクリートを作るときに混ぜても効果があるのでしょうか。
少ない評価件数の中でも評判は良いようでした。
商品レビューの内容を要約・解釈すると
(商品レビュー1)DIY土間コンに使用し、1年以上経ってもひび割れ発生なし
(商品レビュー2)仕上げで繊維が入っているのが目立たない
(商品レビュー3)混ぜ作業に少し難あり
(商品レビュー4)混ざり具合に問題なし、使い勝手良好
(商品レビュー5)狭い土間に使用、ワイヤーメッシュの代わりに使用、お薦め
というようなものでした。
「混ぜ作業に少し難あり」については、うちは「まぜ太郎」を使うので大丈夫そうです。
全体的に悪い書き込みはありませんでした。
鉄筋を敷くよりも手間はかからなそうです。
気休めでもいいので、試しに買って使ってみることにしました。
インターネットで購入
コンクリートを薄く敷きたい範囲は、セメント(25㎏)3袋分で作れる程度の広さだったので、TSファイバープラスタを3袋購入しました。
繊維の長さは6mm、9mm、12mmの3種類ありますが、どれを使えばよいのか分からなかったので真ん中の9mmを選んでみました。
大手ECサイトで購入し、4日後に自宅に配送されました。
価格は3袋で約1,050円(送料込)と、安く買うことができました。
カインズの販売価格も安かったのですが、近くに店舗がなかったので大手ECサイトで買いました。
配送到着まで少し日数を要したので、計画的に購入したほうが良さそうです。
届いた商品の説明書き
届いた商品は、メーカーや各販売サイト等で掲載されていた写真のとおりです。
想像していたより小さなパッケージです。
縦の長さはスマートフォンの長さと同じくらい。
小さなまとまりのファイバーがたくさん入っています。
1本1本のファイバーは非常に細いです。
手元に製品が届いたので、やっと説明を見ることができました。
〇 混ざらない場合は混ぜ時間を延ばす
〇 過酷な条件下では使用量の調整を検討
〇 食べられない
〇 目に入った場合は洗い流す
〇 体調異常が起きたら作業をやめて医師に相談する
注意事項の記載は大切です。書いてあることはよくわかりました。
けれども、私が知りたいファイバーの投入方法が書いてありません。
モルタルだけでなくコンクリートを作る場合の分量比率も知りたいところです。
期待外れの説明書きは次のとおりです。
-使用上の注意-
株式会社テザック TSファイバープラスタの袋に記載された情報
混ぜ方によっては、本品が混ざりきらない場合がありますが、その場合は、混ぜる時間を延ばし、塊を取り除いてください。
通常よりも過酷な条件下での施工や特殊な材料を使用する場合は事前に使用量を調整するなどの検討を行ってください。
本品は食べられません。
万一、本品が目に入った場合は、流水で洗い流してください。
通常の使用法では問題ありませんが、使用中に体調に異常が起きた場合は、作業をやめて医師にご相談ください。
ところで「過酷な条件」ってどんなことをいうのでしょうか?
TSファイバープラスタを投入
とりあえず、TSファイバープラスタを「まぜ太郎」に入れてみました。
昨年末に購入しピカピカの新品だった「まぜ太郎」ですが、
今年1月に使い始め、わずか4か月間でだいぶ渋くなってきました。
暇な時間にコンクリート型枠を使って約2m×15mのコンクリート通路を作ってきました。
「まぜ太郎」は、コンクリート作りに大活躍でした。
また砂利を洗浄するときにも「まぜ太郎」を使ったのでこんなに傷んでしまったのでしょう。
一方、まぜ太郎に投入したTSファイバープラスタは新品キラキラです。
やっぱり小さな単位でまとまっています。
これがバラけるのか?半信半疑です。
とりあえず、ファイバープラスタを入れた後に砂利と砂とセメントを入れて混ぜた後、水を入れることにします。
いろんなやり方で投入
テザックのホームページには、モルタル(セメント25㎏1袋+砂20㎏3袋)にファイバープラスタ1袋を混ぜると書いてありましたが、うちのまぜ太郎は小さいので1回でセメント1袋分は作れません。
普段、まぜ太郎1回につき何kgのセメントを使っているのかを計っていないのでファイバープラスタの量もよくわかりません。
また、うちで作ろうとしているのはモルタルではなくコンクリートなので、ホームページの情報(モルタル時の比率)は参考になりません。
袋の説明書きによると「過酷な条件」で分量を調整して良いということなので、感覚に頼ることにしました。
コンクリート作りに入れるファイバーは、モルタル作りに使う分量(セメント1袋に対しファイバー1袋)よりも減らしてみました。
※感覚に頼るというよりケチったという表現のほうがいいかもしれません。
砂、砂利よりも先に投入
砂や砂利を入れる前にファイバープラスタを投入し、その後に砂利と砂を投入し、まぜ太郎でぐるぐるとまわしてみたのですが、塊が良くほぐれませんでした。
湿った砂利と砂にくっついて、塊のままぐるぐると回っています。
一度ほぐれたファイバーも、再びファイバー塊に絡みついて小さな綿菓子みたいになりました。
セメント粉を入れても塊がほぐれるような感じがないので水を入れ始めました。
水を入れたらぐちゃぐちゃのカオス状態になって塊がほぐれたのか、ほぐれていないのか、よくわからなくなっていきました。
砂利、砂、セメントのかくはん中に投入すると
資材投入の前にファイバーを投入したら、よくほぐれなかったので2回目は、砂利、砂、セメントをかくはんしているタイミングでファイバーを投入してみました。
ファイバーは塊のままぐるぐるまわり、時々まぜ太郎の投入口から、タンポポの種のようにふわふわと飛び出していきます。
水分が少ないとバラけて、乾いたファイバーが空中に浮かび上がるようです。
目、口、鼻、そして肺などに入ったら大丈夫なのかなと不安になりました。
マスクをしたほうがいいかもしれません。
慌てて水を入れて湿らせると、飛散はなくなりました。
水を入れるとカオス状態になり塊がほぐれたのかよくわからなくなってしまいました。
水で分解させてから投入が良いのか?
うちでは「まぜ太郎」に水を注入するときはシャワーホースを使っており、容器の水でファイバーを溶かすという手順を面倒くさく感じたので、試す気がしませんでした。
別の容器に水とファイバーを入れて溶かしても、容器の縁にくっついたら取るのが大変そうなので、水中で分解させてから投入する方法は試しませんでした。
けれども水中では分解する
まぜ太郎の下に置いておいたトロ舟の中に水が少し溜まっていたのですが、ふと目をやると、その水面にいつの間にか落下したファイバープラスタが1本1本バラバラになって浮いているのが見えました。
非常に細い糸片が絡まらずに適度に分散されて浮いています。
インターネットで紹介されていたとおり水への分散性は発揮されるみたいです。
これを見たときは、水の中で細かくバラしてから投入してみても面白いと思ったのですが、結局試していません。
水の中で細かくバラしても砂、セメントと一緒に混ぜた時点でまた絡み合いそうです。
結局、混ざっている
ファイバーを分散させるために、「まぜ太郎」を通常よりも長い時間かけて回転させTSファイバープラスタ入りのコンクリートを作りこみました。
練りたてのコンクリートを見てもファイバーがよく見えません。
シャベルですくっても、コテで均してもファイバーはよく見えません。
素人なので、ファイバーが入っている時と入っていない時の、均しの感触の違いは全く分かりません。
少し乾いた後に「面」をとった部分をみると、トゲトゲしているファイバーが見えました。
投入量(うちはケチった)によって違うと思いますがファイバーが適度に分散されているようです。
セメント、砂、砂利、ファイバーに水を入れて混ぜると、うまい具合にバラけているようです。
改めてインターネットに掲載されている商品説明PDFの文面を見ると
「通常の混ぜ方で分散します!」と書いてありました。
※投入の方法は見当たらず・・・
乾いたらファイバーが見えた
じっくりと練ったコンクリートを敷いてみました。
コンクリートの表面が水っぽいうちに、ホウキでサッと表面を削ってみました。
その日は気づきませんでしたが、翌日、コンクリートの表面にファイバーがたくさん浮き出ているのが確認できました。白い線のように見えるのがファイバーです。
結局、これが正解なのかはわかりませんが、コンクリートの中に繊維が分散されて入っていることが確認できました。
製品の仕様どおりであれば、割れにくくなったのかもしれません。
数年後の結果を見ないとわかりませんが、
今回のコンクリート打ちの条件(厚さ4cm程度で自動車は乗らず)の場合は、鉄筋よりもファイバー投入のほうが良かったと思います。
追記
追記)ファイバープラスタ使用の3日目。最高気温は30℃越え。
コンクリート型枠でつくったエリアの外側へのコンクリート流し込み最終日です。
前回と同様、まぜ太郎で混ぜて敷いた後、固まり始めたときに角を見ると、ファイバーが分散していない部分がありました。
小筆の筆先のように束のようになっていました。
この日は、ファイバーをいい加減に投入してしまい、うまく分散しなかったようです。
さらに、コンクリートを流して約3時間後に確認すると、
ホウキで掃いた模様とは別のクッキリとした線が・・・。
クラックです。
これは翌日に撮った写真です。やっぱり線が・・・。
約30m敷設しましたが初のクラックです。
このクラック部分にはファイバーがほとんど付いていません。
このクラック部分でも、ファイバーがある部分はヒビ割れせずにつながっています。
1日目、2日目のファイバー入りコンクリートの施工から1か月くらい経ち、経過を確認したところ全く問題がなかったので油断してしまいました。
3日目は投入量と投入方法に注意を払わずにコンクリートを作って流し込んでしまいました。
特にファイバーの投入量は規定量の3分の1くらいしか使わずケチってしまいました。
TSファイバープラスタの製品が悪いわけではなく、私の使い方が悪かっただけです。
内側にしっかりとファイバーが混ざっていれば表面だけで止まるかもしれません。
このクラック、これからどうなっていくのでしょう?